Press Release

プレスリリース

「ふたりでひとりの天才」ファストフード店での出会いが未来を大きく変える!               株式会社OrbisBrain

2020.11.01

株式会社OrbisBrain 早原 茂樹(はやはら しげき)

貴社の簡単なご説明(事業紹介・自己紹介)をお願いします。

 株式会社OrbisBrain(以下「Orbis」)は、研究開発と知財戦略を推進する先端スタートアップとして、2019年5月23日に、COMPASS小倉で創業しました。独自開発のコア技術を軸に、知的財産を取得し、自らの資産として構築していきます。

  多くのスタートアップ・ベンチャー企業に見られる社会問題解決型のスタンスではなく、先端的な技術テクノロジーを開発し、それをクライアントと共創的に事業に組み込んでいくスタンスを取っています。現在、「3D✕AIに基づく人体モデルの再生技術の開発」として、株式会社ワコール・人間科学研究所様と共同で研究開発を進めています。

 

この会社を立ち上げようと思ったきっかけはなんですか?

 わたしとCTOの有光は、叔父と甥との関係です。わたしは元々、情報技術を専門とする弁理士として、東京で特許事務所を経営しており、有光は人体の解剖学に興味を持つと共にAIや3Dについて極めて先鋭的な技術知見を有しております。

 2018年4月、北九州市小倉北区のファストフード店でたまたま有光と再会し、お互い初めてソフトウェアの話で盛り上がりました。わたしは日頃からトップクラスの研究者やプログラマと面談していることもあり「有光の技術力や知見は次元が違う」と直感的に察しました。そこが、Orbisの創業の出発点となります。有光が生み出す圧倒的な技術を、わたしが持つ特許業務の経験値によって、ビジネスに適応させていくべく、有光と一緒に起業するに至りました。

 

貴社の主力製品・サービス、特にアピールしたい特徴などを教えてください。

 Orbisは、「3D-SharingEngine」を中心に、クライアント様の事業に合わせた技術開発提案をしております。「3D-SharingEngine」では、3D人体モデルを、わずか800byteに圧縮でき、QRコードやRFIDタグに含めることができます。また、精度を落とせば3D人体モデルを16文字にまで圧縮でき、クレジットカードの文字数に含めることもできます。例えばユーザが、お店にQRコードや16文字を提示するだけで、店舗側はそのユーザの人体モデルを取得することができるようになります。

また、人の数カ所の採寸値を入力するだけで、その人の統計的に最も近い3D人体モデルを瞬時に再生することができます。例えば、身長、胸囲、腹囲を入力するだけで、その人の太ももや首回りなど、統計的に最も近い採寸値を推定することができます。これらシステムにおいて6件の特許出願をし、4件で特許権が成立しています。

 

その製品・サービスは何をきっかけに生み出し、どのようにしてできたのですか?

 3Dモデルというのは、元々1つ何十MB、何百MBといった膨大な容量になります。メールをはじめとする送受信ツールでの共有のしにくさ、共有ができたとしても再現性が極めて困難なことが原因となり、その技術革新が阻害されてきたように感じていました。

 Orbisの「3D-SharingEngine」は、AIに対して人体の3Dモデルを入出力可能とした機械学習エンジンです。予め膨大な量の3D人体モデルをAIに学習させています。

 これによって、人体の3Dモデルを小容量のコードに圧縮することができると共に、そのコードを伝えるだけで3Dモデルを再生することができます。

 

その製品・サービスを通じてどのような課題を解決していきますか?

 従来、人体3Dモデルを取得するために、人は、大規模な人体スキャナに入ったり、ZOZOスーツのようなウェアラブルデバイスを着たりする必要がありました。

 Orbisの「3D-SharingEngine」は、例えば身長や腹囲、胸囲などのパラメータを入力するだけで3D人体モデルを再生することができるため、測定ツールの精度に左右されにくくなります。

 また、ユーザ自ら知り得る数カ所の採寸値のみから、大凡の人体モデルが再生されるので、衣服業界やヘルスケア業界ではそれに基づくサービス構築できるのではないか、と考えています。

 

貴社が「北九州で事業を行う理由」を教えてください。

 創業準備に入って直ぐの2018年6月、北九州市運営のCOMPASS小倉がオープンすることを知りました。資金も無く、経営の助言を必要とする時期でしたので、ここしかないと直ぐに決めました。オープン当日に、登記前法人「OrbisBrain」として入居しました。

 入居後、COMPASS小倉のスタッフの方々から、様々な創業サポートをしていただき、大変心強かったです。特に、アクセラレーションプログラム第1期として採択していただいたことが大きかったです。現在のクライアント様とのつながりも、このアクセラレーションプログラムのプレゼンがきっかけでした。

 

起業家として大切にしている事を教えてください(理念・信念)

 Orbisは、有光とわたしとで創業しました。究極のPower of Two()となりたいです。

『ふたりでひとりの天才』を意味する造語です。有光が開発を行い、わたしが知財戦略を遂行する。お互いの得意を認め合い共創できる関係を作れることが重要だと感じます。OrbisBrainの意味 Orbisは、ラテン語で「眼」を意味し、英語では「orb」(球、天体、世界、宝珠等)を意味し。 Brainは、英語で「脳」を意味します。 OrbisBrainは、「3D×AI」即ち「眼×脳」に基づく研究開発・知財戦略を推進します。 尚、OrbisBrainとは、GoogleBrainにあやかったものです。

 

 今までで苦労したことを教えてください。

 OrbisBrainは、ベースとなる3Dシェアリングエンジンが完成した後は、関東や関西で、複数の大手企業を中心にプレゼンしてきました。様々な企業の特性を感じるのに良い勉強になりました。M&Aで買い叩くことを目的とする企業もあれば、新しい技術情報を従業員に聞かせることだけを目的とした企業もありました。個人的には、オープンイノベーションを推進している企業には惑わされないようにすべきと思います。実際に我々もそこに翻弄されかけた時期があります。

オープンイノベーションでは、投資金額や賞金が表示されるために、スタートアップは、時間を掛けて全力で資料を作って臨みます。一方で、企業側は、技術情報やアイデアを無料で聞き流しながら、自分達に役立つか役立たないかを判断しているだけです。しかしながら、スタートアップには、そのような時期が当然に必要となります。多くの企業を回っていく中で、本当に付き合える企業を探す目が肥えてきて、最終的には、相手方がOrbisを選んでいるのではなく、Orbisが相手企業を選んでいたような気がします。

 

今後、事業をどのように成長させていきたいですか?

 いま考えていらっしゃる「ゴールイメージ」をお聞かせください。

 スタートアップのピッチでは、事業的なゴールイメージやビジネスモデルを常に問われます。

 しかしながら、研究開発型スタートアップとしてのOrbisには、事業的なゴールイメージは全くありませんし、想像もつきません。有名なダーウィンの言葉に、「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者である。」とあります。Orbisとしては、自らのゴールイメージへ向かって「進歩」するのでなはなく、時代の変化に応じてより良い方向へ「進化」していきたいと考えています。また、ゴールイメージを持ちすぎることであらゆることに固執し自由で創造的な開発を阻害してしまうリスクあります。

 

読者に伝えたいことがあればお書きください

 先日、「北九州市SDGsスタートアップエコシステムコンソーシアム」が、内閣府の「世界に伍するスタートアップ・エコシステム拠点形成戦略」における「スタートアップ・エコシステム推進拠点都市」に認定されるという報道を知りました。北九州市のスタートアップとしても、非常に嬉しく思いました。今まで、北九州のスタートアップは、北九州の「もの作り」の風土を重視し、特に地元企業に貢献することを目的とする場合が多いように感じました。しかしながら、北九州市の中だけでお金を回すことは、市の法人税にも全く貢献しません。今後、北九州のスタートアップは、関東や関西の大企業そしてグローバルな投資家から、お金や人を持ってこれるようになる必要があります。その意味で、Orbisも、北九州市のスタートアップとしてのアイデンティティを持って事業を進めていきたいと思っております。

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